吉田調書の公開と菅直人元総理
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2014/09/12
福島第一原発所長だった吉田所長の調書が公開されるという。
これは歓迎すべきことだろう。全部が公開されるのであれば、という条件付ではあるが。
従来原発の不都合な情報は隠ぺいされ、一般人は知る方法が無かった。今回も吉田調書は公開しないという流れもあったが、公開に踏み切ったのはある意味では英断と言えよう。そして、全文の公開をぜひやってほしい。
私自身ガンマ線を出す放射性ヨウ素や、ベータ線を出すP32やトリチウムを使っていたので放射性物質で標識した化合物を日常的に扱ってきた。
しかし、例えばガンマ線で治療する場合は、相当な量の線量を照射するので、そんなに照射しても大丈夫なんだ、と思った記憶がある。
考えてみれば癌患者に照射するわけで、放射線照射でガンができる確率と、癌細胞が死ぬ確率のどっちが高いかは線量によるだろう。
殺傷力の強い放射線を当てれば細胞が死ぬ方向に行くだろうし、殺傷力の弱い放射線を照射すれば、変異が多く起きると思われる。
そういう意味では低線量被ばくも決して安全とは言えない。むしろ、小さな変異が蓄積し、癌遺伝子が活性化すれば癌になる可能性は高くなる。
そうした被ばくの危険性についても政府や御用学者は直ちに問題が生じるとは考えにくい、とお茶を濁したコメントで問題ないような印象を植え付けようとしている。
しかし、これは私のように、放射線を日常的に使用し、微生物の変異処理を日常的にやってきた目から見れば、とんだ欺瞞でしかない。
低線量であっても癌になる可能性はある。そういう意味では、その危険性を直視し、いかにして癌を早期発見し、早期治療するか、という対策の方をもっとしっかり進めるべきではないか?
事なかれ主義、臭いものにふた、という発想では今後世界中から批判されるのではなかろうか?
そういう意味で、吉田調書は隠さずに全文を公開すべきだろう。