ブラック企業大賞はヤマダ電機 不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)は業界賞
ブラック企業として投票で決定されるブラック企業大賞が発表され、1位はダントツでヤマダ電機だそうだ。2位は東京都議会だが、1.5倍差以上差をつけてヤマダ電機が大賞を受賞した。
ヤマダ電機は2007年に社員が過労で自殺し、労災認定されたこともあり、ブラック企業大賞に選ばれた。
仙台で問題になった不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)は業界賞を受賞したが、大賞には及ばなかった。さすがに自殺者が労災認定されるまでには過酷ではないということか?
いずれにせよ、こうしたブラック企業が普通に存在するのは、日本経済があまりよくない、ということを反映しているのだろう。バブルの頃は多くの会社が金余りで、研修でもホテルから工場までタクシーで通勤させるところもあったようだ。
残業代も全部払われていたので、月200時間残業していた人は給料袋が立ったそうだ。これは給料が100万円を軽く超えるので、札束みたいに給料袋が縦に立つ、という意味である。
今から思えば信じられない位日本がうまく行っていた時期だった。
しかし、その後、故竹下登元総理のプラザ合意によって円が360円からあっという間に1ドル200円くらいまで円高になり、日本の価格競争力は失われた。その後も円高は進行し、一時は1ドル78円まで行った。さすがにここまで行くと日本企業も耐えられなくなり、海外に現地工場を建て、現地人を雇用して現地で生産・販売を行うようになった。
それが今の日本の不況というか、経済の停滞を引き起こし、デフレや正社員を減らして季節労働者や派遣社員などの非正規雇用を増加させている要因になっている。
その結果、国民の購買力が低下し、価格競争と相まって、従業員の待遇が悪くなる会社が続出している、ということなのだろう。
給料が少ない、残業代が支払われない、と言いながら正社員としてきちんと給料が支払われ、会社が倒産しないだけでもありがたい時代になったとさえ言えよう。
そういう場合に、派遣社員などが権利を主張して、会社を窮地に追い込むのはどうかと思う。会社が十分儲かっているのに残業代を出さない、というのであればわかるが、会社が倒産しそうであれば、給料カット、ボーナス無しの条件でも退職するよりはマシだろう。
その当たりはバランス感覚なので、残業代を全部支払っても会社が十分な経常利益を残せるのであればそうすればよいし、もし残業代を支払うことで会社が赤字になるのであればそれは、給与体系や価格体系を見直す必要があるだろう。
いずれにしても、全社が一丸となって会社を発展させようと思えば、いずれ会社の業績もよくなり、残業代も支払われるようになるのではなかろうか?
昼間もろくに働かず、仕事が遅いくせに残業して残業代を稼ごうとするのは給料泥棒と言われても仕方ない。会社の発展は自分の成長と考え、まずは会社に貢献し、その後権利主張すべきではなかろうか?
とはいえ、今回のたかの友梨ビューティ・クリニックの騒動は感情的な問題もあったのではないかと推測するが。
もしそうであれば、上司とうまく行っていればこういう問題にはならなかったかも知れない。上司に交渉して残業代を支払ってもらう穏便な道もあったのではなかろうか?
それを可能にするのがこの教材である。