トニー・ロビンズの発見 人生に失敗はない
トニーの、人生を変えた贈り物、という本に、こんなくだりがある。
私は失敗についてあることを発見した。それは
人生に失敗はない
ということだ。
これは発見なのか、仮説なのかは置いといて、人生に失敗がない、とアンソニー・ロビンズは考えている。
アンソニー・ロビンズの家庭はものすごく貧しくて、感謝祭の日にも食卓を飾るものはほとんど何もないような状態だった。
ところが、アンソニーが11歳のとき、いつものようにアンソニーの父親と母親が口論をしていると、玄関のチャイムがなり、大男が、お届けものです、と言って、七面鳥、詰め物、パイ、缶詰等ありとあらゆるごちそうを詰めたバスケットを届けにきた。アンソニーの両親は最初受け取ろうとしなかったが、男はお届けものです、と言って、アンソニーの腕にバスケットをかけ、感謝祭、おめでとう、と言って帰って行ったという。
この出来事にアンソニー・ロビンズは感動して、自分も大きくなったら同じようにしよう、と心に誓った。そして、18歳のとき、なけなしのお金を使って、2家族分の食糧を買い、困っているという噂のある家庭に届けにいった。
そこはメキシコ系プエルトリカンの家族の家で、旦那は数日前に家を出て行き、女性1人で6人の子供を育てていた。食べるものも何もなかった。そこへアンソニー・ロビンズが車から大量の食糧を運びこんだら、その女性は、アンソニーにキスの雨を降らせ、「あなた、贈り物、神様からの」と何度も言ったという。
アンソニーは何度も車を往復し、大量の食糧を運び込んだ。そして、最後の別れを告げ、車に戻ると感極まったそうだ。そしてそれがアンソニーの原動力になっているそうだ。その後もこの活動は続けられ、今では、全米とカナダの15万人の恵まれない家庭に食糧がバスケットに入れられて届けられている。
人生で苦しい時期もある。でも、そこを乗り越えれば、それが贈り物になる。だから人生に失敗はない、と言えるのだろう。
失敗のように見えても、それが次の成功につながる出来事であれば、それは失敗ではない。成功のために必要な過程なのだ。