応援される選手と一匹狼タイプの東大生
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2014/10/19
スポーツ選手は礼儀作法を非常に厳しく躾けられます。例えば、練習場の掃除、次の人のことを考えて、足場を馴らす、挨拶をきちんとする、靴やスリッパはきちんとそろえる、など社会人であればまあ当たり前のことなのですが、強い運動部ほどそういうところがしっかりしています。
しかし、受験勉強は1人でやるものなので、そうした躾けをされることはありません。また、団体競技でもないので、他人と群れて、チームワークをよくする必要もありません。
そのあたりが、東大生がスポーツに向かない理由かな、という気がしないでもありません。
スポーツ選手は人格が悪いとなぜかあまり勝てません。怪物といわれた江川卓投手も、空白の1日のような脱法行為のようなことをやったためか、選手生命は短かったです。朝青龍もおそらく人格の問題で引退に追い込まれました。
一方で、誰からも好かれる人格者の選手は長く活躍しています。
つまり、スポーツでは人から好かれ、応援されるような人格者になることが勝利の条件ですが、受験勉強などはそうした、他人に好かれるとかいうことはあまり関係ありません。研究者でもみんなから嫌われていてもものすごい業績を出している人もいます。
そういう意味で、スポーツと勉強とは性質がことなりますね。おもしろい現象です。
中日矢沢健一氏と桑田真澄氏が東大野球部コーチでも84連敗中
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2014/10/18
今日は東大ワールドカフェというのがあり、東大野球部を六大学で優勝させるには?というお題でディスカッションしました。
東大野球部は現在84連敗中だそうです。1シーズン20試合なので、約4年以上勝ち星がない状態です。
むしろ、東大が勝ったりすると、ニュースになる、という状況です。
東大では、もと中日の4番打者の矢沢健一氏をコーチに招き、昨年からは桑田元投手も投手コーチに招聘して、野球部を強化しているのですがなかなか勝てないようです。というか、矢沢氏をコーチに招いた2010年から勝てなくなっているようで、指導が合わないのかも知れません。
矢沢氏の指導は、まずは寮の掃除とか礼儀作法から入るそうです。そのあたりは野球道みたいな、人格形成みたいな面があります。
それができて初めて次の技術指導に入ります。
私はそういう指導を受けたことがあるのでまあ普通かな、と思いますが、そういう指導を全く受けたことがない東大生がそういう指導を受けるとついていけないのかも知れません。
その矢沢元選手に直接聞いてみました。「才能の無い選手はいくら頑張っても勝てないのでしょうか?」
矢沢氏はそれには応えず、他のチームの弱点などを細かく分析するのが得意な人はたくさんいる、そういうのは非常にいい影響を与えている、とだけ返事しました。
矢沢氏には明確な答えがなかったのかも知れません。
しかし、王貞治ソフトバンク元監督は明確に言い切っています。結局は才能なのだ、才能の無い選手がいくら頑張っても名選手にはなれない、と。
実際そうなのかも知れません。でも、東大の選手にも才能のある選手がいて欲しい、と願っています。
甲子園大会野球名門高校野球は野球留学生だらけ
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2014/08/10
第96回全国高校野球選手権大会が台風で延期されていたが、2日経ってようやく開幕した。
今年の参加校のうち、多くの高校が他県からの野球留学生を受け入れている。
多いところではベンチ入りの18人中17人が他県出身という高校もあるらしい。
昔は、四国は大阪PLの2軍とか揶揄され、尽誠高校では、伊良部投手など3,4年間は大阪出身の選手が活躍していた。
今は関西から東北に野球留学する選手が多くなっているらしい。
それに、大阪や神奈川は参加校が多く激戦区だが、鳥取県はわずか24校しかないので、こういうところにちょっとレベルの高い選手が野球留学すれば甲子園に出ることも可能かも知れない。
ベンチ入り18人中10人以上が野球留学生である高校は以下のとおり。
[10人以上] 14校
八戸学院光星[2年ぶり7回目](青森・私立・68校):17人(大阪6 兵庫3 和歌山2 奈良1神奈川1 岩手1 宮城1 )
なんと、青森出身の選手は1人しかいない。大阪、兵庫、和歌山、奈良で12人もいる。関東は神奈川1人だけ、あとは岩手、宮城の1人づつで、関西弁で関西のノリでやっているのかも知れない。
二松学舎大付[初](東東京・私立・137校):16人(千葉6 神奈川6 埼玉3 茨城1)
ここは16人が野球留学生とはいえ、ほとんど近県出身なのであまり問題ないと思う。
明徳義塾[5年連続16回目](高知・私立・31校):15人(大阪6 兵庫3 奈良2 愛知1 愛媛1 滋賀1 京都1)
四国の名門明徳義塾だが、やはり関西が多く、18人中大阪、京都、奈良方面で18人中13人を締める。高知出身は3人だけだ。
敦賀気比[5年ぶり6回目](福井・私立・30校):13人(京都4 大阪3 三重2 奈良1 和歌山1 石川1 静岡1)
ここは関西圏だからこのくらいの野球留学はそれほど不自然でもないだろう。
広陵[4年ぶり21回目](広島・私立・93校)12人(岡山3 大阪3 山口2 兵庫1 三重1 和歌山1 福岡1)
広陵は関西圏から幅広く野球留学しているが、岡山、山口で5人で、6人は広島出身なので許容範囲と言えよう。
大垣日大[2年連続3回目](岐阜・私立・67校):13人(愛知4 大阪2 滋賀1 福井2 石川2 三重1 兵庫1)
大垣も比較的近県から集めているのでそれほど不自然でもないと思われる。
東海大甲府(山梨・私立・37校):13人(神奈川7 東京4 埼玉1 愛知1)
東海大甲府は近県といえば近県だが、神奈川、東京と激戦区から流れてきた2軍選手が多そうな気がする。
盛岡大付[2年ぶり8回目](岩手・私立・71校):12人(神奈川2 福島2 東京1 兵庫1 埼玉1 秋田1 宮城1 青森1 茨城1 栃木1)
盛岡は関東、関西、東北と幅広く集めているが、やはり、東京、神奈川の2軍、と言われても仕方がないかも知れない。
その他の10人以上の高校は以下の通り。
龍谷大平安[2年ぶり33回目](京都・私立・78校):10人(大阪9 福岡1)
聖光学院[8年連続11回目](福島・私立・81校):11人(兵庫2 大阪2 神奈川1 宮城1 茨城1 栃木1 東京 )
ここはやはり関西、神奈川の2軍ではなかろうか?
健大高崎[3年ぶり2回目](群馬・私立・67校):11人(千葉2 埼玉2 大阪2 和歌山1 神奈川1 長野1 沖縄2)
大阪桐蔭[3年連続8回目](大阪・私立・180校):11人(福岡4 兵庫3 奈良2 愛知1 広島1)
大阪桐蔭は関西圏以外の福岡、愛知、広島から計6人が野球留学しており、相当な逸材をスカウトしていると思われる。
九州国際大付[3年ぶり5回目](福岡・私立・135校):11人(山口3 京都2 神奈川1 大阪1滋賀1 和歌山1 熊本1)
ここは明らかに関西、神奈川の2軍ぽい感じがする。
城北[6年ぶり4回目](熊本・私立・65校):11人(福岡8 大阪2 愛知1)
高校野球のプロ化が言われて久しいが、こうした野球留学はそれぞれ需要と供給があって成り立つものだし、金にあかせて一流選手を独占するのでなければ各高校の自由に任せてよいと思う。いろんな県の人間が集まることで発想もバリエーションが出てくるし、野球留学することで野球への覚悟も高いものになるだろう。
それぞれの選手がいい監督、コーチに恵まれて、自分の最高の能力を発揮できることを期待したい。