値付けは経営 稲盛和夫 定価・値段の決め方
-
2018/08/17
稲盛和夫さんは、値付けは経営、と書いていました。
値付けは、安くすれば、お客は喜びますが、それで売上が伸びなければ、経営が苦しくなります。
逆に、高くすれば、利益が増えるので、経営的には楽になりますが、顧客離れが起こるおそれがあります。
ここ最近でも、鳥貴族やユニクロが5~10%程度の値上げをしただけで、顧客離れが起きて売上が下がっているようです。
ビジネス、事業を継続させるためには、適正な利益を得ることが必要です。そうでなければ、従業員の給料もはらえませんし、会社も存続できません。赤字経営では倒産してしまいます。
とはいえ、他社よりも高額にすると、同じ品質の場合は、他社に顧客が流れてしまいます。
顧客満足度を上げつつ、値上げできれば理想的ですが、最近は儲かるビジネスにはすぐにライバルが参入して価格競争になってしまうことも多いです。
そうならないためには、他社と差別化できる特徴が必要になります。
どうしても、この会社のこの製品を買いたい、という魅力が必要です。他所にはない、優れた特徴があれば、高くても購入されるでしょう。
実際、安物のバッグもありますが、グッチやセリーヌなどブランド物も売れています。
お金はあるところにはあり、そういう人は、高額でもいいものを購入します。
とはいえ、汎用品の場合は、どこよりも安く作る、というコストダウンの努力も欠かせません。
仕事の流れを工夫して、より安く、より早く製品を作る工夫をしつつ、製品の付加価値を高めて購買意欲を高める工夫が必要でしょう。
値付けについては、テストを繰り返す、というやり方もあります。顧客リストをいくつかに分割し、別々の値段でそれぞれのリストにオファーしてみます。それで売上が落ちない最高値で販売すれば利益を最大化できます。
また、安すぎると買わない、というお客様もいます。
裕福で、お金はいくらでもある、という人は、ある種のサービスについては1,2万円のものは買わないこともあります。10万円以上でないと買う気がしない、という人もいる気がします。
安かろう、悪かろう、というわけです。
ですから、品質に絶対の自信があるのであれば、それなりの高額を請求した方が売上が伸びる場合もあります。
とすれば、製品には松竹梅とランクを付けて、フロント商品、利益商品(バックエンド)と明確にし、フロント商品は利益度外視のサービス商品、それで顧客リストが取れれば、その後、利益を生むバックエンド商品、さらには、超高額のハイエンド商品と揃えるのがよいと思います。
300万円、500万円のコンサルティングを購入する人もいるわけですから。
しかし、それだけの高額を取るためには、その何倍もの利益を生むコンサルティングをする必要があります。それができるのであれば、どんなに高額で売っても何の問題もないと思います。顧客にとっては、いい投資になるわけですから。
手の切れるような商品を作る(稲盛和夫)
-
2013/12/05
マーケティングコーチの今日の名言です。
【名言123】
手の切れるような商品を作る。
(稲盛和夫)
商品を販売する以上、いい加減な商品を作る人はいないと思います。
しかし、普通にいい商品を作る、というだけでは足りない、と稲盛さんは言っています。
京セラでは陶器を作るのですが、必要な性能を満たす製品ができても、色がくすんでいたら、やり直せ、と何度もやり直させたそうです。
機能面ではもう十分なのに、色がくすんでいる、というだけで何度もやり直しをさせられるので、社員は不平を言っていたようです。
しかし、稲盛さんはお客様に届ける商品は、手の切れるような、感動するような商品でなければならない、と考えていたそうです。
完全な商品であることは当然ですが、さらに手の切れるような品質の商品を作る姿勢が京セラの発展につながったのだと思います。
商品が一通りできたら、納品する前に、この商品は手の切れるような商品と言えるだろうか?と自問してみるのもよいかも知れません。
最近、インターネットで売られている商品や塾の中には、手が切れるどころか、セールスレターで約束した品質さえ満たしていないような詐欺商品が相当数あるように思います。
手の切れるような品質の商品を見分ける目を持つことも大切な気がします。
私も戦略マーケティングのコンサルティングやコーチングをやっているのですが、手の切れるような品質のサービスを心掛けています。
成功するためには誰にも負けない努力が必要(稲盛和夫)
-
2013/12/02
マーケティング・コーチの今日の名言です。
【名言121】
成功するためには、誰から見てもあの人ほど努力している人はいないといわれるほどの努力が必要なのです。
(稲盛和夫)
稲盛会長は事あるごとにこう説いたそうです。
「誰でもある程度の努力はしている。でも”誰にも負けない努力”となると話は別です。自分では一生懸命これ以上はできないという努力をしているつもりでも、周りを見てみると、それ以上の努力をしている人が必ずいるものです。成功するためには、誰から見てもあの人ほど努力している人はいないといわれるほどの努力が必要なのです。
人一倍の努力をする。熱心だから、努力するから、他の人が思いもよらないことにも気づくのです。努力に勝る天才なしというが、まさにその通り。個人の才能にはあまり差はない。しかし、一人ひとりが行う努力には大きな差がある。この努力の差が最終的には、さらに大きな差となるのです。」
「願望は持っているが、現実にはさまざまな障害があって実現はほとんど不可能と思われる、それをやり抜こうとすれば、単に、”できればいいなあ”とぼんやり考えていたのでは達成されない。心底その達成を思い描き、それを潜在意識に透徹させるほど、強く持続した願望を持つことが必要なのです。
潜在意識に透徹させるためには、寝ても覚めても、すさまじくそのことだけを考え抜くしかありません。この取引を成功させたいと思うなら、四六時中そのことを考え抜く。そうすると、眠っているときも潜在意識が働き、実現のために必要なアイデアが生まれ、知らず知らず願望が成就する方向に近づいていくのです。」
(「中村天風 生きる心得」神渡良平著)
これには何も付け加える必要は無いように思います。本当に全力で努力すれば上のようなことが起こり、自然に成功するでしょう。